屈折異常
いつもスタッフコラムをご覧頂きありがとうございます。視能訓練士の永田です。
最近、学校検診で視力低下があり当院を受診されるお子様が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、屈折異常について少しお話しさせていただこうと思います。
私たちが普段、遠くのものから近くのものまで、見たいものをピントが合った状態で見ることができるのは、水晶体という眼の中のレンズの厚みを変えることでピント合わせをしているからです。この働きを調節といいます。
この働きを使わない状態で網膜にピントが合う場合を正視といいい、そうでない場合を屈折異常といいます。近視・遠視・乱視がこれにあたります。
近視とはどんなものでしょう?
近視は網膜より手前で焦点を結ぶため、遠くはぼやけて見え、近くがはっきり見える状態です。
近視の多くは、眼の長さ(眼軸長)が長すぎることで起こりますが、眼の屈折力が強すぎて起こる場合もあります。
見えにくいと目が疲れやすくなったり、お子様の場合は黒板の字が見えないなど、学習に差し支えがでてくることがあるので、なんらかの方法で矯正する必要があります。眼鏡やコンタクトレンズの他にも、当院ではオルソケラトロジーやICL(成人のみ)による矯正も行なっています。
では遠視とはどんなものでしょう?
遠視は網膜より後ろで焦点を結ぶため、調節をしていない状態では遠くも近くもぼやけている状態です。
若くて軽度の遠視の方は、調節力を働かせてピントを合わせることができますが、眼が疲れやすくなります。
また、小児期は調節力が強いため、遠視があっても学校の視力検査では異常なしとされ、発見されないことが少なくありません。
しかしお子様で、度数が強かったり左右差がある遠視の場合、そのまま放置しておくと視力の発達が止まって弱視になることがありますので、注意が必要です。
最後に乱視とはどんなものでしょう?
乱視は、角膜や水晶体に歪みがあるため焦点を結ぶのが一箇所でなく、ぼやけて見える状態です。ほとんどの場合は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できますが、歪みが不規則な不正乱視は完全に矯正することが難しくなります。
以上、簡単ではありますが、屈折異常についてお話しさせていただきました。