ステロイド注射
いつも川原眼科のホームページをご覧くださりありがとうございます。
看護師の樋口です。
今回は、先日眼科で使用するマキュエイドというステロイドの薬についての勉強会がありましたのでご紹介します。
このお薬は従来眼科の手術で使用されたり、糖尿病黄斑浮腫の硝子体注射の治療で使用されていました。
2017年3月よりこの薬剤を「糖尿病黄斑浮腫」「網膜静脈閉塞症」「非感染性ぶどう膜炎の伴う黄斑浮腫」に対してテノン嚢下に投与する治療が認められ新しく効能、効果に加わりました。
当院でも早速治療を開始しました。このような病気の名前はなかなか聞かない言葉ではありますがこのような目の病気のある方は多くいらっしゃいます。
先日、中心部が見えにくいとのことで患者さんが来院されました。
瞳孔を開いて眼底検査をすると網膜静脈閉塞症の診断、黄斑浮腫も見られました。マキュエイドのテノン嚢下注射を施行し一週間後の再来時には浮腫も軽減され高い効果を得ました。
この病気には他にも別の治療薬(抗VEGF薬)投与、網膜光凝固術(レーザー)、手術療法、血液循環改善薬の内服などの治療方法があります。抗VEGF薬は高額な治療費がかかります。
そのため病状によりますがまずはこのマキュエイドの注射を行う場合があります。
そのため今回このように治療の幅が広がったことは何より患者さんの負担が軽減され、大変うれしいことであります。
このように病変の現れた時、処置の必要な時に適正な治療を行う必要があります。治療の時期が遅かったりそのままにしておくと元の見え方に戻ることができず視力の低下につながります。
この黄斑という部分はものの詳細を見分けたり文字を読んだりするのにとても大切な場所です。
私たちはほとんどの方が両眼で見ているため片眼ずつ見たとき初めて見えないことに気づくことも多くあります。時々片眼を隠して見てみてください。
何となく物がゆがんで見える、暗く見える、視力が低下した、かすんで見える、コントラストが悪くなった、目の中に何か見えるなどの眼の症状がある方はぜひ当院まで来院ください。
またこれらの自覚症状がないだけで病気がすでに出現している場合もあります。
内科で動脈硬化、高血圧、糖尿病などの病気のある方は目の奥にある網膜という組織に影響を与えてることがありますので一度検診もかねて眼科受診をお勧めします。