白内障を切らずに治す方法
年齢を重ねるとほぼ100%の人に出てくる「白内障」。
だんだん視力が下がってくるため多くの方が手術を受けられます。
でも手術はできればだれでも受けたくないものです。
白内障は手術せずに(切らずに)治せるのでしょうか?
答えは、「現代の医学では手術せずには治せません」
先日、当院の待合室においてある週刊誌を見ているときに、
「白内障を手術せずに治す秘策」
と題打った記事を見かけました。
その記事によると、ある超音波器具を使うと、白内障で視力が低下し手術が必要と診断されていた人の視力が上がって、手術が必要なくなったというものでした。
さらには、別の人は眼圧が下がり緑内障がよくなった、加齢黄斑変性で見えなくなっていたが徐々に視力がよくなった、とも書いてありました。
あまりの内容に絶句してしまいましたが、手術を受けたくない方や視力がよくない方は藁にもすがる思いでこのような超音波器具を購入することもあるかもしれませんね。
価格は自由診療の多焦点眼内レンズを使った白内障手術の1/3ということですが、まさにこれこそ効かないものに対する対価としては詐欺に近い領域ですね。
わたしたち医療にたずさわる人間にとって、治療というものは最低限の侵襲(影響)で最大限の効果を出すことです。
もちろん費用対効果も大事です。
もし、手術をせずに治るものがあるのであれば積極的にそちらを勧めますしそれが最善の医療と考えます。
しかし、残念ながら現代の医療ではまだ白内障は手術をしないと視力は改善しませんし、緑内障は点眼治療が必要です。
加齢黄斑変性も難治の疾患であることには変わりありません。
もちろんサプリメントを取ったり、サングラスをかけたりと予防は大切です。
情報があふれている現代であるからこそ、誤った情報に惑わされないように情報提供し、適切に治療を行っていくことが我々の使命であると考えています。
「こんな話を聞きました」「こんなことが週刊誌に書いていました」「テレビでこんなことを言っていました」
など、疑問に思うことはなんでも気軽にご相談ください。