近視の進行を抑制する治療
小学校、中学校が夏休みに入りますます子供さんの受診が増えています。
学校検診で視力が悪かったという結果を持ってこられますが、そのほとんどが近視による視力の低下です。
携帯型ゲームをする時間が長くなったり、塾などで勉強をする時間が長くなっているせいで近視のお子様は増加傾向です。
親御さんとしては近視になって視力が悪くなっていくのを非常に心配されます。
確かに近視が強くなってくるといろいろなデメリットがあります。
・裸眼だとほとんど見えない
・眼鏡が分厚くなる(眼鏡が厚いと目が小さく見える)
・網膜が薄くなって網膜剥離のリスクが高くなる
やはり近視はあっても強くないほうがいいです。
ではどのように気を付けたらよいのでしょうか??
①眼鏡をかける
近視の状態のまま、網膜にしっかりピントが合わない状態をそのままにしておくと近視が進みやすくなることがわかっています。
ですのでできればきちんと見える眼鏡をかけることが大切です。
子供さんは眼鏡を嫌がることが多いですが、やはり見えないままだと目を細めてみるので目つきが悪くなったり、学校の黒板を見るのも苦労している可能性があります。
メガネを掛けたらどんどん近視が進むのではなく掛けた方が進まないのです。
②点眼治療
アトロピンという点眼薬があります。
このお薬は長期に点眼することで近視の進行を抑制できることがわかっています。
しかし、現在処方できるアトロピン点眼の濃度は高いため副作用によって普段使えるものではありません。
点眼すると瞳孔が開いてまぶしい、近くが見にくい、などの症状がでるからです。
当院ではこのアトロピン点眼を副作用が出にくく、さらに近視の進行抑制効果がある至適濃度にしたものを処方しています。
実は、日本ではまだ未承認であり大学病院で治験が行われている段階です。
近い将来日本で承認されることは間違いないと思われます。
しかし、すでに近視が進みだしているお子様にはそれを待っている暇はありません。
小学生、中学生で近視が出てきた、またはだんだん進んできているお子様をお持ちの方でお悩みでしたら、
・きちんとした眼鏡を合わせる
・近視進行抑制の点眼治療を行う
これがいいと思います。
近視でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。